特発性過眠症と共に。

特発性過眠症と共に生きる。🚢☁☁

私が特発性過眠症を受け入れるまで

私は自分が特発性過眠症であることを受け入れるまでに、2年くらいの時間がかかりました。時間だけでなく失敗も繰り返しながら。最終的には受け入れざるを得ないところまで来て、「ああ。もうこれは受け入れるしかないんだ」と感じました。こういうのを"諦め"って言うんでしょうか。散々拒否してきたけれど、私は特発性過眠症を胸の内に迎えいれました。水にカラーインクを垂らして、ぽつりと水面に落ちたインクの色がだんだんと波紋を描きながら広がっていくように、ぽつりぽつりと特発性過眠症という色が私の中に落ちていって。そのうちに「ああ、今の私はこういう色なんだな…」って、私が受け入れた頃には水はすっかり染まっていました。

私は、朝起きられないことやあらゆる場面で寝てしまうことは、自分の努力や工夫が足りない、意志が弱い、自分が弱くてだめな人間だからだと思っていました。ずっと長い間そう思って生きてきました。だから、自分がもっと頑張ればどうにかなる問題である、そう考えていました。睡眠専門の病院で検査をして、自分が特発性過眠症だとわかってからも、頑なにそう思い続けてきました。なぜって、私には自分が病気であること(自分の頑張りや努力ではどうにもならないものであること)その事実の方が自分がだめな人間であることよりもずっとずっと怖かったからです。